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[東芝が消える日]、それに反して東芝株・東芝社債の底高さの背景 [2017年4月23日号]

◆2017年4月23日号の目次
 1. 当面の市況
 2. 日銀が実施している社債の買い入れオペ、応札倍率が量的緩和開始以来最高
 3. 地政学リスクと政治リスクが金融市場を攪乱する
 4. 仏大統領選、ルペン氏勝利確率と市場影響:識者はこうみる
 5. 18日から始まった「日米経済対話」
 6. 型どおりの「有事のキン」
 7. 野村證券主催「日本株セミナー」
 8. 米国対北朝鮮
 9. トランプ対プーチン
10. トランプが破った世界の均衡
11. 原油価格上昇の状況
12. 欧州事情
13. [東芝が消える日]、それに反して東芝株・東芝社債の底高さの背景
14. 途上国の為替相場
15. 世界の株式市場
16. “Disagree to Disagree”の追加
17. 株価指数での運用が投信類の大半を占める
18. DJ-【焦点】世界で相次ぐ政治リスク、逃げ惑う投資家
19. DJ-【市場の声】投資家の83%が「米国株は買われ過ぎ」

*一部抜粋(13)[東芝が消える日]、それに反して東芝株・東芝社債の底高さの背景

「東芝が消える日、16万人の従業員はどこへ行く」これは「週刊東洋経済誌」(4月22日号) の特集である。副題が「16万人の従業員はどこへ行く」、「加速する解体危機」、「逆転復活のシナリオはあるか」、「巨額の債務超過に転落」、「Xデー迫る上場廃止の攻防」、「米WH買収のお粗末すぎる内幕」、「原発立国の旗を振った経産相」、というのがおよその内容であるが、こういう中で東芝株が未だに「破綻価格」には至っていないという底堅さは何に由来するか、これについて私見を簡単にまとめる。

 

シャープの場合は直ちに150~160円台になり、そして第二市場に行ってから80円台になった。そしてそれがまた500円台を示現した。

東芝の場合は昨年2月の155円、12月には475円になった。これで「日立の株価の7割を地相場とする東芝」の役割は完結編を迎えて幕を引いたと見る。「昨年2月の安値の155円から12月高値の475円までの株価の動きをとった東芝」と「その後ウエスチングハウスの問題が出てきた東芝」とは別銘柄であると考える。本稿でもそう述べてきた。

 

今言っているのは「昨年とは別銘柄」の東芝である。この東芝株が破綻価格を示さず先週200円を瞬間割っただけだ。先週日経平均が連続安の中で、やっと200円をわずかに割ったばかりだ。社債もシャープの時は40円台にまで下がったが、東芝は今90円だ。シャープは40円で買っておけば100円で償還を受けた。東芝はまだ90円だ。この株価と社債の底堅さの背景は何か。

① 上場廃止がないという楽観論だ。特設市場注意銘柄に指定され現在審査中だが改善が見込めないと判断されれば上場廃止となる。ただ東証自らが率先して投資家の売買機会を奪うことはしないとの見方が出ている。次からは全くの私見だが、2004年に西武鉄道が株主構成の不正から上場廃止になった時に200円台と400円台をマネーゲームの対象とされたが、上場の最終日に筆者は484円でこれを買い、再上場まで待って再上場の初値1,600円で売った(もう少し待てば3,000円になった)。この484円で買って1,600円で売る間に日経平均はリーマンショックで半値になったのだ。もし極端な行動が出来る人ならば、全株を上場廃止前日に西武鉄道にして9年待てば日経平均は半値になる間に自分の金融資産は6倍になったという勘定になる。東芝も現場が動いて技術がきちんとしているならば、上場廃止は怖いものではないという考えがある。上場維持のために半導体を2兆円で売るという噂も出ていたが、これは本末転倒である。半導体を売ってしまったら東芝はもぬけの殻だ。

ちなみに筆物がその2兆円という価格を誰がどう付けたか知らないが試しに筆者が2兆円を発行株数で割り算すると1株470円となる。これはまさしく昨年12月の高値と一致する。

 

② 二つ目の理由は、所謂モノ言う株主村上ファンドの登場である。旧村上ファンド出身者
がシンガポールに設立した投資会社エフィッシモ キャピタルマネージメントである。東芝の保有比率は10%弱に達する。3月公表時点よりも1%強を買い増しした。モノ言う株主のシナリオに乗ろうとする一部の投資家が東芝株に群がった。

 

③ 相場全体が大天井をついて整理局面の中で、基本的なものの考え方として投資対象や銘
柄選びを考えるならば、ということで本稿にて取り上げてきたのが昨年の東電と東芝だった。今年の東芝は別銘柄であるが、東芝は東芝だ。全体が整理基調の中の大相場が終わった後の局面でマネーゲームの対象としての東証の地位は高い。東芝関連の悪材料ニュースが連日出る中で売買代金は3位であり、信用取引の買い残高は1億株を超え、昨年末の2倍近くにまでなった。投資人気の表れである。

 

本稿では具体的な銘柄は主題としない。読者諸賢は個人個人の相場哲学を有しており、個人個人の方針があり、個人個人の資金の性質があり、それぞれの投資方針があり、これらはみな同一のものではない。画一的に銘柄を推奨することは出来ないし、やるべきではないというのが基本姿勢であるが、基本的なものの考え方の一例として東芝と東電を取り上げてきた。

東電は原子力発電という、優れて経済問題、技術問題、環境問題であるはずのものをイデオロギー問題、政争の道具と置き換えることの誤りを明確にしたいためだった。

【 図 10 】 シャープは2016年8月1日の東証二部市場初日に安値(87円)をつける

20170423_週報_6502

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