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2017年 新春セミナー「質疑応答」一覧

 

「質疑応答」No1(信用取引について)

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わが追憶の投機家たち」より
全担保を賭けて仕手株をカラ売り~投機家Kさんの運命は?

カラ売りで野村本店中を「肩で風切って歩いた」新人証券マン時代

私が野村証券に入社し本店営業部にいた5年間で、東証ダウ平均(当時)は1961(昭和36)年7月の高値1,829円から、証券不況と言われた1965(昭和40)年7月の安値1,020円まで、4割以上も下落した。

その春は、山一証券の第一次破綻、大阪の元気者だった大井証券の破綻などが相次いだ。佐藤栄作総理、田中角栄蔵相、宇佐美洵日銀総裁は決断迅速で、山一証券や大井証券に対する無制限の日銀特別融資を決定。山一破綻と同時発表の形をとって、市場の動揺を未然に防ごうとした。

だが官主導でつくられた日本共同証券や日本証券保有組合による株価買い支え効果は限定的で、「死守」ラインの1,200円を割れると、そこから1,020円までは早かった。

時の大蔵大臣・田中角栄氏が兜町の東京証券取引所に来て、証券マンを集めて演説したことがある。私たちはすぐ近所だったから義理で聞きに行かされたが、冒頭に開口一番「ヨロイ町のみなさん!」(兜町でなく)から始まって爆笑となった。

彼の帰った後、野村の市場部長が全員を帰さず「今の間違いは他言無用にせよ。町名を間違えるくらいは誰にでもある。しかも取引所のすぐ隣りにはヨロイ橋がある。彼は兜町の恩人だ。他言して笑い話にした者は厳罰に処するぞ」と緘口令を敷いた。官も民もその頃は今と違った(だが、その話は皆に伝わった)。

当時の野村本店営業部には、後年、副社長になる者、財界の大物になる者、他証券の社長になる者、等がひしめいていた。凄い奴、恐るべき奴、尊敬すべき奴、変な奴、怪しい奴、これらが熱気の中を闊歩していた。そいう人々とその後の人生何十年もお付き合いがあったのは望外の幸福だった。

ところで、その頃、さしもの猛者連も連日の下げ相場で商内できず青菜に塩だった。
その間隙をぬって私と3年下の後輩(後に中堅証券会社の社長・会長となる)だけが、カラ売りで大商内を敢行して気勢を上げ、肩で風切って本店中を歩いていた。本店営業部中の商内の半分以上を2人でこなした。

そのようなカラ売りは野村内でも異端中の異端で反逆児であったが、「数字が人格だ」の野村的風土をバックに我々2人は大きな顔をしていた。
まだ若かった私は、カラ売りの成功体験に味をしめていた。

◆40年不況の日経平均

20161020_山崎動画_40

「大冒険のカラ売りをしましょう!」顧客Kさんとの運命的な出会い

1970(昭和45)年になり、私は野村の紀州和歌山支店に赴任する。ちょうど史上最長の「いざなぎ景気」が終焉を迎え、買い飽き気分と相場停滞で商内不調の頃だ。
そこで私は、市内でも著名な或る顧客(Kさんとしよう)と運命的な出会いをすることになった。

国木田独歩の短編に『忘れ得ぬ人々」と言うのがある。私がそのタイトルでものを書けと言われたら先ず最初に書くべきは紀州和歌山のKさんをおいて他にない。
Kさんは、長身痩躯の好男子でダンディで、野村の店頭に来られた時には社員の多数が注目するほどの男前だった。「桜の花の散る頃、Kさんは、爽やかで華やかな生涯を終えて彼岸に渡って61歳で時間の流れを止めた」と先回書いたが、私の脳裡に在るKさんの姿は年老いて老醜をさらす姿ではなく、当時のままの男前の凛々しいKさんだ。もしKさんが61歳の若さで亡くならず、老人になってよぼよぼしたKさんになっても、Kさんの本質は永遠に青春だったに違いない。

私たちは常に何物かと闘いながら年老いたと思う。へミングウェイ『老人と海』の老漁師サンチャゴのように、またはニコライ・バイコフ『偉大なる王(ワン)』の老猟師トン・リのように。或いは「Boys, be ambitious like this old man(少年たちよ、この老人のように、つまり俺のように野心的であれ)」と言って北大を去ったクラーク先生のように。

昭和45年春、和歌山市の郊外から離れた下津の夜陰の海辺。沖合に点々と灯る漁灯を見ながら、Kさんは或る悩みを涙ながらに切々と私に打ち明けた。
私は「そんな悩みがいっぺんに吹き飛んでしまうような冒険の旅に出ましょう。丁度、ここは嵐の夜を突いて紀伊国屋文左衛門が死に装束をまとって蜜柑船を出帆させた海岸です。これも何かの縁です。大冒険のカラ売りをしましょう」と言って三光汽船のカラ売りを持ちかけた。

丁度、紀伊国屋文左衛門の記念石碑が建っていた、まさしくその下だった。
三光汽船株は業績も良くないのに地相場60~70円くらいから100円に暴騰した後だった。そこを全担保を賭けてカラ売りした。株価は案に相違して120円になった。だが私にもKさんにも、まだ余裕があった。

「この不見識め!必ず暴落するぞ」我らの信念を嗤い暴騰した三光汽船

業績などの企業価値を買って株価が下がったらナンピン買いだが、勝負事のつもりで張った相場が想定外に出た時は即刻手仕舞うのが鉄火場の体験知だ(鉄火場の鉄則その1)。
未だ若輩の私はそれを心得ずKさんを説得してナンピン、売り上がった。株価はまた上がった。追加保証金の催促が来た。

無理してそれを入金させて、また売り上がった。株価はさらに上がった。
この会社はオーナー社長の河本敏夫氏が郵政大臣を務め、いずれ総理になるという噂で、その政治資金の必要性から仕手が動いて株価を暴騰させるのだ、という話が市場一杯に伝わっていた。
今のように「風説の流布」が厳しく取り締まられることは少なかった。「風説」は「早耳」と称し歓迎された。「早耳筋の早倒れ」などと言う格言もある。
こういう仕手株を「政治銘柄」または「マル政」と言った。三光汽船こそは現にオーナー社長が大臣経験者で、田中角栄氏・福田赳夫氏と共に総理候補として名を連ねていたのだから格好の「マル政」だ。

自社株価が仕手的に暴騰すると、ふつう会社側は「当社の業績に反映するのは先のことです」などとコメントを出して鎮静化を図るのが見識と言うものだが、三光汽船にはクセモノ専務がいて火に油を注ぐようなコメントを出しまくった。
この不見識め!必ず暴落するぞ、と私たちは信じていた。だが三光汽船は2,530円になった。当初のカラ売りから25倍だ。後年に、ここで一つの訓戒を得た。「相場を張る時は確信を持ったら盲目になる」という鉄則だ(鉄火場の鉄則その2)。
33歳の私と42歳のKさんは鉄火場の鉄則を2つとも見逃していたのだ。勝負事にナンピンは禁じ手だということと、信念は投資家を盲目にする、という基本である。これを知らずに売り乗せして遂に資金が尽きて決済に追い込まれた。
この時の悪夢は45年後の今でも時々見て冷や汗と共に目覚め、当時得た訓戒を拳拳服膺する。その時の損金報告書はKさんから貰って常に私の財布の中に安置されていて自戒のお守りとしている。

相場に負けて「見る目」で勝った~15年かけ得心した3つの教訓とは

「事後15年」にKさんと鎌倉で落ち合って円覚寺へ石田禮助氏の墓前に詣でた話を書き、そのとき「事後15年に大きな意味がある」と書いた。

事後15年にあたる1985(昭和60)年、三光汽船は破綻して特設ポスト入りし、株価は1円になったのだ!

当時として史上最大の破綻で、本来なら各新聞のトップ記事になるはずの大事件であったが、三光汽船の会社更生法申請が確実となったのは奇しくも昭和60年8月12日。御巣鷹山の日本航空123便墜落事故と同じ日だった。
翌13日の新聞紙面は、日経新聞でさえ第一面トップ記事は日航機墜落事故。三光汽船破綻の記事はその左脇に出るに留まった。
大手企業の破綻を喜ぶのはいかがなものか、等とはこの際言わないでほしい。私とKさんは電話で快哉を叫びあい鎌倉で落ち合った。同じ時期に三光汽船をカラ売りして大損失を被った石田さんのお墓参りのために。

三井物産社長のあと国鉄総裁だった石田さんもKさんも私も、15年の長期で見たら判断は的確だったのだ。相場には負けたがモノを見る目は正しかったのだ。

これは大投機家の物語でも伝説でもない、紀州和歌山支店で顧客Kさんにやらせた三光汽船カラ売りの顛末である。それは将来忘れ得ぬ訓戒となって残り、私に人生と相場を訓えてくれた事件となった。

この事件から私は3つの掟を学んでしっかりと身に付けた。

【鉄火場の掟 その1】

勝負ごとで張った相場は初めの想定通りに行かなければ即刻切る。買ったら投げる。カラ売りしたら買い決済する。このときナンピンは絶対の禁じ手である。英国名門・ベアリングスの日経先物・オプションでの損失、大和銀行NY支店の簿外取引での損失、住友商事の銅相場での損失。これらの大損の歴史に共通するのはナンピン禁じ手の時にナンピンしていたことだ。三光汽船もその一例だ。

【鉄火場の掟 その2】

投資には信念は禁物だ。信念の人というと格好良いが信念に縛られて自在の見方が出来なくなる。

【鉄火場の掟 その3】

相場を張るのは「勘定」一筋に行くべし。「勘定」に「感情」を混入させるな。三光汽船ではこの掟を当初から犯していた。

 

 

「質疑応答」No2(主にジャンク債について)

 

マクロ指標のデータ入手先

M2 日本銀行 時系列統計データ 検索サイト

http://www.stat-search.boj.or.jp/

データコード:MD02’MAM1NAM2M2MO

下図、赤字の部分をクリックしてください。

20170203_セミナー質疑2(日銀)

 

証券会社の選別

20170203_セミナー質疑2(証券会社)

株式取引

現在、野村・大和の大手証券はラップ口座(一任勘定、お任せ口座)の開設に注力しています。会社全体の方針として投信残高の積み上げやラップ口座の獲得に軸足を置いているため、営業マンは資金導入が会社での評価に繋がる会社環境に変化してきています。かつてのように相場に詳しい営業マンは少ない状況です。

IPO(新規公開株)

野村・大和・SMBC日興などの大手証券、またはネット証券ではSBI証券が主に主幹事証券となっています。

投資信託

現在、約4000本の投資信託があります。大手証券はそれぞれ運用会社を抱えているため、野村証は野村アセット、大和証は大和投信の商品を主に取り扱っていますので、取り扱いの投資信託の数は限定されてきます。

一方で、SBI証、楽天証は2000本以上の投信を取り扱い、また買い付け手数料なしのノーロード型投信を多く取り扱っています。

債券(国内債券・外国債券)

外国債券において、証券会社からの勧誘による新発債は、例えばブラジルでのリオ・オリンピック開催が決定した時にレアル建債券を大量に販売するなど、まさに楽観で誰もが買いやすい時に新発債を勧誘してくる傾向があります。

悲観で安い時に買うスタンスであれば、既発債の値段の下がったとことを買うスタンスが必要となってきます。

シャンク債(低位格付債)について

信用格付

20170203_セミナー質疑2(格付)

実際の取引

20170203_セミナー質疑2(取引経過)

 

16 米スプリント債買い付け時の「状況」と「判断」

2015年12月の買付時の株価は底値水準、経営不安が高まった状況。買い付けの判断材料は、ソフトバンクの孫正義氏が米スプリント社を潰さないとの常識的な考えに基づいている。

20170203_セミナー質疑2(スプリント)

【底値時のメディアの論調】
人が市場で誤りを犯す心理的要因は「メディアに誘導されて錯覚する」こと。

20161117_山崎動画_スプリント記事

 

18 ドイツ銀行債買い付け時の「状況」と「判断」

2015年の買付時の株価は経営不安が台頭し、株価下落基調。買い付けの判断材料は、リーマンを潰したことによるリーマン・ショックを再び起こすことはなく、ドイツ銀行の会社規模からも潰せないとの常識的な考えに基づいている。

20170202_山崎動画ドイツ銀

【メディアの論調】

20161117_山崎動画_ドイツ銀行記事

【ご参考】 「悲観で買い楽観で売る」

20160911_週報 _テンプルトン

 

国の「ねじれ現象」に投資する

当時ブラジル株式の推移から、総悲観を「記憶」し、「知恵」に転化する

2015年後半から政情不安によりブラジル国債の格下げ相次ぎ、「ジャンク級」に格下げ。株式(ブラジルボベスパ指数)・通貨(ブラジルレアル)ともに大きく下落し、まさに国が売られる「ねじれ現象」となった。
しかし「無いものがない」という巨大な資源国。政情不安の最中の安い時こそ買いの好機となった。

20170129_週報_ブラジルボベスパ

ブラジル・レアルも大きく下落した

20170129_週報_ブラジルレアル

投資信託で、少額買い付けも可能

ブラジル債券ファンド、ロシア債券ファンド、メキシコ債券ファンドなど、投信信託で少額投資も可能です。

 

【連絡先】極東証券 益本氏

下記にお問い合わせ頂ければ、益本氏の連絡先をお伝えいたします。

 Mail : info@yamazakikazukuni.com  【担当:石原】

 

 

「質疑応答」No3

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 「質疑応答」No4

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「東芝」の買いの好機を考える

東証二部への指定替えとなった「シャープ」の動きを振り返る

20170222_山﨑動画_シャープ週足

20170219_週報_シャープ出来事

「東芝」の動き

20170222_山﨑動画_東芝週足

思惑交錯する「東芝」  買い増しする主体も

米キャピタル、東芝を買い増し 保有比率7%強 】2017.1.20 日経新聞

米運用会社のキャピタル・リサーチ・アンド・マネージメントが東芝株を買い増し、発行済み株式の7.11%(従来は5.93%)を保有していることが分かった。キャピタルが20日に関東財務局に提出した大量保有報告書で判明した。目的は「純投資」で、13日までに取得したもよう。

東芝は昨年12月27日、米原子力事業で数千億円の損失が生じる可能性があると発表。株価は29日までの3日間で4割強下落した。足元は240円台で推移しており、12月中旬の昨年来高値の半分程度の水準にある。

キャピタル・グループ:1931年に米・ロサンゼルスに設立された世界屈指の資産規模を誇る老舗運用会社。グループ全体で1.4兆米ドル(2015年12月末)の資産を運用。直近では、任天堂の上昇時に保有株を一部売却し、話題に。

 

「有事」の可能性もある不確実性の時代

20170222_山﨑動画_地政学リスク

20170222_山﨑動画_ホルムズ海峡

金相場の推移

20170219_週報_金相場

 

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0223動画資料のダウンロード

 

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