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「割安は買い材料にならず」 [2017年4月9日号]

*一部抜粋(9)「割安は買い材料にならず」

標題は4月4日の証券記事の見出しの文章である。当たり前のことだ。理論値の上で割安であっても、今から上がるという見通しがなければ投資家は株を買わない。同じく割高であっても今から下がる見通しがなければ空売りもしない。投資行動を決めるものは、割安か割高かという「レベル」の問題ではなく、上がるか下がるか「方向」の問題なのだ。株価構成というものはそういうものである。ところでこの記事の大見出しは「トランプラリー終息か」であった(日経新聞4月4日)。

 

いまさら言うまでもない。所謂トランプラリーというものは最初からすべての仮設の上に成り立った狂乱の宴であったのだ。本稿では昨年のうちからこのことを述べてきた。この流れを先取りしてヘッジファンドなどが3月第4週まで6週間連続で売り越してきた。3月の日経平均の下落率は1%にとどまり28年ぶりの小幅持ち合いの膠着を現象した。トランプ大統領の政策能力への疑問が晴れない限り、市場全体を底上げする投資は復活しない。