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用心すべきシグナル 「宵の明星」、「いつ止めるかを知っている者は天才である」(ゲーテ) [2016年12月 4日号]

【 8 】 「いつ止めるかを知っている者は天才である」(ゲーテ)

これはゲーテ名言集にある言葉を筆者が2000年にダイヤモンド社から出した「投機学入門」(ハードカバーの初版版)に3~4回反復して引用した言葉である。

 

筆者のホーム頁の見出しに「引き際を知り、好機を逃さない」とある。

 

引き際こそ重要である。

 

先週後半の静けさはトランプラリーの「終わりの始まり」か「中断の踊り場」か、いずれであるかは誰にも判らない。ただ空売りを仕掛けていったヘッジファンドの巻き戻しは一巡したであろうことは想像に難くない。一方で長期投資の押し目買いは、ここの段階では出にくいであろう。

 

TOPIXの12日の続伸記録という稀に見るものもここで終わり、2011年春の東北震災以来の稀に見る急速な円ドル相場の変動(当時は急激な円高)、今回は急激な円安)も一旦止まった。大勢は楽観シナリオでの中断の保合と見ているが、静かに売り時を探る動きもあろう。

 

再び言うが「いつ止めるかを知っている者は天才である」(ゲーテ)。これは多数回の恋愛をした彼が女性との別れ方を言ったのだと言う説もあるが、そんなことはどうでもいいことだ。

 

以上の叙述では行動指針にはならない。単なる叙述である。

 

だが本稿は、個々人によって資金の性質も違う・持ち時間も違う・ポートフォリオも違う・持ち株も違う等々の中で一律的に「ここは売って休むべし」「この中断の踊り場は上に行く踊り場だから買うべし」などと気安く安易に無責任にアドバイスする筋合いのものではない。